金色のコルダ 土浦×冬海
2007年 ヴァレンタインネタ。
2007年 ヴァレンタインネタ。
今日も空がオレンジに包まれる夕暮れ時。
少女は一人、彼にチョコレートを渡す為校舎を彷徨う。
その彼は、そんな少女を目で追っていた。
彼はすぐそこにいる。
彼女はすぐそこにいる。
でもなかなか声がかけられないのはどうしてか。
それは今朝からさかのぼるのだが――――。
朝、普通科校舎2年5組教室前に出没する音楽科1年女子。
普通科校舎の中に音楽科の生徒が出入りする事は滅多にないこの学校で、突然の彼女の出現は普通科の生徒にとってはちょっとした騒ぎ事で、たくさんの目線を受けていた。
だから土浦は冬海がクラスの前まで来ていた事を知っていた。
この教室まで来ると言う事は、彼女は自分に用があるのだと理解した。先日冬海が―バレンタイン限定「楽器チョコ」があるとか、と言う話をして土浦は少なからず興味を持っていた―のを思い出した。もしかしてそれを渡しに来てくれたのか、なんて自惚れた考えもあったが今日はバレンタイン。人気の多いココでこちらから出向いたら明日はお互い話のネタにされるに違いない。その後彼女が音楽科校舎に向かっていく背中に土浦は酷く心が痛んだ。
昼休み、普通科エントランスに出没する音楽科1年女子。
購買部に行く、と言う理由ならば音楽科の生徒が利用していてもおかしくは無いのだが、彼女は普通科校舎へつながる通路に立っていた為、これまた少なからず普通科生徒に驚かれ、視線を集める。
彼女は彼が現れる事を今か今かと待ってた。しかし彼はなかなか現れない。時計を見たら次の授業の定刻が迫ってきたのでまたもや諦めて音楽科校舎へ戻っていった。
その様子を土浦はまた目撃していたのだ。声をかけようと近寄ったらちょうど彼女は去ってしまった。朝の事気にしているのだろうか?彼女に悪い事をしてしまった気持ちで土浦は自分の教室に向かうのだった。
放課後、グラウンドに出没する音楽科1年。
朝も昼休みも全敗。今度こそ、彼にチョコレートを渡したい。
セレクションも終わったこの時期、彼はサッカーを再開したらしい。もしかしたらサッカーの練習しているかも…期待をしながら向かう。
グラウンドの土手に着いた音楽科の彼女はまたもや目線を浴びることになる。今日3回目になるこの視線は彼女をさらに焦らせた。でもなかなか声はかけられず、どうしたら声をかけられるかな、と考えれば考えるほど恥ずかしくなって声なんてかけられなくなる。
同時に土浦はグラウンドから冬海を姿を見つけた。彼女はどうしてそこに居るのだろうか。と言うか、今朝の用件はなんだったのか。折角クラスの前まで来てもらったのに、と申し訳なさそうに思って彼女に向かって歩いていった。
「おい冬海〜!」
突然遠くの方から声をかけられて冬海はビックリした。しかしすぐにわかった。声の主は土浦と言う事に。彼はどこかな、恥ずかしさもあったがそれ以上に彼女は早く彼に会いたくて彼を探す。
「そっちじゃなくてこっちだぜ。後ろ」
後ろ―?そう疑問に思って振り返ればそこには彼の姿が。それを土浦と確認すると冬海は心臓が高鳴った。いやそれ以上に彼との距離が近い事に心臓が高鳴っている。
「さて、今朝の用件はなんだったんだ?」
会いたかった彼がすぐ近くに居る。自分に話しかけてる。そう思ったらもう何を話したらいいのかわからなくなるくらい恥ずかしくなる。でも渡したかったこのチョコ。声を振り絞って彼に伝える―――。
「これ、先輩の為に作りました…あの、受け取ってくれます、か?」
少女は一人、彼にチョコレートを渡す為校舎を彷徨う。
その彼は、そんな少女を目で追っていた。
彼はすぐそこにいる。
彼女はすぐそこにいる。
でもなかなか声がかけられないのはどうしてか。
それは今朝からさかのぼるのだが――――。
朝、普通科校舎2年5組教室前に出没する音楽科1年女子。
普通科校舎の中に音楽科の生徒が出入りする事は滅多にないこの学校で、突然の彼女の出現は普通科の生徒にとってはちょっとした騒ぎ事で、たくさんの目線を受けていた。
だから土浦は冬海がクラスの前まで来ていた事を知っていた。
この教室まで来ると言う事は、彼女は自分に用があるのだと理解した。先日冬海が―バレンタイン限定「楽器チョコ」があるとか、と言う話をして土浦は少なからず興味を持っていた―のを思い出した。もしかしてそれを渡しに来てくれたのか、なんて自惚れた考えもあったが今日はバレンタイン。人気の多いココでこちらから出向いたら明日はお互い話のネタにされるに違いない。その後彼女が音楽科校舎に向かっていく背中に土浦は酷く心が痛んだ。
昼休み、普通科エントランスに出没する音楽科1年女子。
購買部に行く、と言う理由ならば音楽科の生徒が利用していてもおかしくは無いのだが、彼女は普通科校舎へつながる通路に立っていた為、これまた少なからず普通科生徒に驚かれ、視線を集める。
彼女は彼が現れる事を今か今かと待ってた。しかし彼はなかなか現れない。時計を見たら次の授業の定刻が迫ってきたのでまたもや諦めて音楽科校舎へ戻っていった。
その様子を土浦はまた目撃していたのだ。声をかけようと近寄ったらちょうど彼女は去ってしまった。朝の事気にしているのだろうか?彼女に悪い事をしてしまった気持ちで土浦は自分の教室に向かうのだった。
放課後、グラウンドに出没する音楽科1年。
朝も昼休みも全敗。今度こそ、彼にチョコレートを渡したい。
セレクションも終わったこの時期、彼はサッカーを再開したらしい。もしかしたらサッカーの練習しているかも…期待をしながら向かう。
グラウンドの土手に着いた音楽科の彼女はまたもや目線を浴びることになる。今日3回目になるこの視線は彼女をさらに焦らせた。でもなかなか声はかけられず、どうしたら声をかけられるかな、と考えれば考えるほど恥ずかしくなって声なんてかけられなくなる。
同時に土浦はグラウンドから冬海を姿を見つけた。彼女はどうしてそこに居るのだろうか。と言うか、今朝の用件はなんだったのか。折角クラスの前まで来てもらったのに、と申し訳なさそうに思って彼女に向かって歩いていった。
「おい冬海〜!」
突然遠くの方から声をかけられて冬海はビックリした。しかしすぐにわかった。声の主は土浦と言う事に。彼はどこかな、恥ずかしさもあったがそれ以上に彼女は早く彼に会いたくて彼を探す。
「そっちじゃなくてこっちだぜ。後ろ」
後ろ―?そう疑問に思って振り返ればそこには彼の姿が。それを土浦と確認すると冬海は心臓が高鳴った。いやそれ以上に彼との距離が近い事に心臓が高鳴っている。
「さて、今朝の用件はなんだったんだ?」
会いたかった彼がすぐ近くに居る。自分に話しかけてる。そう思ったらもう何を話したらいいのかわからなくなるくらい恥ずかしくなる。でも渡したかったこのチョコ。声を振り絞って彼に伝える―――。
「これ、先輩の為に作りました…あの、受け取ってくれます、か?」
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