金色のコルダ 土浦×月森
花粉症と眼帯ネタ。
友達が花粉症で辛いのと
自分がものもらいで眼帯着けていたこの苦しみを
月森に押し付けて土浦に救って貰おうという話。
花粉症と眼帯ネタ。
友達が花粉症で辛いのと
自分がものもらいで眼帯着けていたこの苦しみを
月森に押し付けて土浦に救って貰おうという話。
春の日差しが差し込む麗らかなこの素晴らしい季節が訪れた。
今日も予定していた時刻より先に目覚める。今日も、と言っても毎日そうなのではなくてバレンタインを過ぎた辺りから眠りが浅くなったのが原因。どうせ風邪であろうが、目が痒い、鼻水も止まらない、喉も痛い、終いには体もなんだか重い。今日もか、と溜め息をつくと月森は気怠そうに学校へ向かった。
放課後。
練習室の前をこの音楽科校舎には不似合いな男子生徒が一人。土浦は練習室全てを覗いてまわっていた。土浦は大抵部活が休みの時は月森を探して一緒に過ごす事が多い。今日はたまたま部活も休みだったので月森を探している所なのだ。いつも敢えてメールで場所を聞かずに探しているが、大抵月森の行く場所など限られている為探し回ったりはしない筈なのだが、今日は違った。一通りその場所を見回った土浦が焦ったようにくそっと悪態をつく。今日はなぜどこに行っても月森はいないのかと。
その頃月森は保健室で寝込んでいた。午前中は頑張って絶えていたが、午後になって症状が悪化。ついにふらりと倒れてしまった。失態だ。まさか自分が倒れ込んでしまうなんて。
放課後まで保健室にいるのは、両親は夜にならないと向かえに来られないようなので金沢先生に無理やり頼み込んで迎えが来るまで使わせて貰っていた為である。
ふと目を覚ますと目が重かった。なかなか開かない。どうしたものかと鏡を見やればそこにはぷっくりと目が腫れた自分の姿が。その無様な自分に一瞬驚きさらに重くなった。なぜもこんなにも腫れているのか、本当に風邪なのかと疑問に思う。第2セレクションの時のように疲れているのだろうか?
月森は今まで自ら休養を取った事がない。家には看病してくれる人はいない為、大抵病院行きだ。(祖父母には迷惑かけたくないのが彼のポリシーらしい)今どうしたらこの目をどうにか出来るか、など解るはずがない。そう言えば睡眠は最大の休養だ…とか言っていた人がいたような。そう信じて月森はまた眠りにつく…
はずだったのだが
「月森、起きてるか?」
とても病人のいる部屋に来たようには思えないくらい不用心にガラガラと部屋に入って来た男、土浦はドアも閉めずに月森が使っているベットにズカズカ歩いて来た。
こんな腫れた目、見られてたまるものか!しかも相手は土浦だと判るとそれはさらに募るばかりで、勢い良く布団にくるまった。それで土浦がくっと笑いを零したのを聞き逃さなかった。明らかに馬鹿にしている。
お前、倒れたんだって?そう声を掛けられればさらにイラついて来て思わず否定の根を上げる。いいから帰ってくれ。そう願いながら。
「金やんに聞いたけど夜までこのままなんだろ?介抱してやるよ」
土浦はそう言って保健室を少し漁ってから体温計を布団にくるまる月森に差し出した。手ぐらい出せよ、そう言われるが強情もに手を出さず声も出さず。その態度は勘に触るがこの男―月森はこうでなくては面白くない。月森が被る布団をぐっと掴んで土浦は問い掛ける。
「…ずっとそのままだと無理やり剥ぐぞ?」
「…い、やだ」
「何が嫌なんだよ。布団を取られる事が?体温計る事が?」
しばし沈黙が沸いた。どう答えたらいいのか解らず少しして月森は声を上げた。
「君に…みられる事が…嫌なんだ」
今、
こいつなんつった?
今までの関係を全て否定したいのだろうか、見られたくないと言われたら傷つかないわけがない。俺の顔も見たくないのか布団は被せられているし。
勝手にしろよ!そう念を込めて体温計を月森(正確には布団)に投げ付けた。せいせいする、怒りの余韻に浸りながら月森を見下ろした。月森は突然の事に大袈裟に反応を示した。今まで被っていた布団からガバッと起きたのだ。それも焦ったように。自然と目が合うと土浦はふと気付く。
「…お前、目、どうした?」
目の事をすっかり忘れていた月森は一番恐れていた事態になり顔を真っ赤にしながらまたもや布団で目を覆った。…かわいい。今までのイライラを忘れさせてくらいに。ちょっと不憫だけど。自然と頬が緩む。
「それにしてもずいぶん酷い顔だな」
くつくつと笑い始める土浦にさらに屈辱を覚えた。無様な姿を見られてしまったのだ。本当に気分は最悪。
完全に拗ねてしまった月森を見て、やれやれ手が掛かるな、とボソッと聞こえるように呟くと、月森にこう問い掛けた。
「金やんは風邪って言ってたが、お前の場合花粉症じゃないのか?」
ほら、ティッシュもこんなに捨ててあるし、目もかなり赤いし腫れてるだろ。そう言われてみて、自分が花粉症である事がやっと解った。
「とりあえず目、やばいから眼帯でもしたらどうだ。確かこの辺にあった気が…」
またガサゴソと保健室を漁り眼帯を月森に差し出す。すると酷く素直に布団から手がスルリと伸びてきた。珍しい。その手を見て悪巧みを考えた。
月森の手をぐいっとひっぱり無理やり起き上がらせたのだ。
「!?…土浦、見ないでくれ…っ」
目が露わになると月森は両手で目を隠した。これ以上見られたらプライドがずたぼろだ。
「着けてやるよ眼帯」
そう言って頭をぽんぽんと撫でてやれば撫でるなと尖った言葉が返って来る。はいはい、と呆れたように返すと彼はその場からはなれた。
「お前の迎えが来るまで一緒にいてやる。自分の荷物教室にあるから取ってくるわ」
持っていた眼帯を目を隠す月森のそばに置いて去っていった。
土浦が去ったのを確認し目隠しを取るとそこには眼帯とさっき取りに行くと言っていた土浦の荷物が。
不器用だな…土浦も―嬉しいような寂しいような表情で静かに眼帯をつけ始めた。
**************
実はこの小説の続きはもう考えてあって、
月森が花粉症治って眼帯取れた辺りです。
私的エロ展開に向かいます(笑)妄想ムクムクです(*´∪`*)
今日も予定していた時刻より先に目覚める。今日も、と言っても毎日そうなのではなくてバレンタインを過ぎた辺りから眠りが浅くなったのが原因。どうせ風邪であろうが、目が痒い、鼻水も止まらない、喉も痛い、終いには体もなんだか重い。今日もか、と溜め息をつくと月森は気怠そうに学校へ向かった。
放課後。
練習室の前をこの音楽科校舎には不似合いな男子生徒が一人。土浦は練習室全てを覗いてまわっていた。土浦は大抵部活が休みの時は月森を探して一緒に過ごす事が多い。今日はたまたま部活も休みだったので月森を探している所なのだ。いつも敢えてメールで場所を聞かずに探しているが、大抵月森の行く場所など限られている為探し回ったりはしない筈なのだが、今日は違った。一通りその場所を見回った土浦が焦ったようにくそっと悪態をつく。今日はなぜどこに行っても月森はいないのかと。
その頃月森は保健室で寝込んでいた。午前中は頑張って絶えていたが、午後になって症状が悪化。ついにふらりと倒れてしまった。失態だ。まさか自分が倒れ込んでしまうなんて。
放課後まで保健室にいるのは、両親は夜にならないと向かえに来られないようなので金沢先生に無理やり頼み込んで迎えが来るまで使わせて貰っていた為である。
ふと目を覚ますと目が重かった。なかなか開かない。どうしたものかと鏡を見やればそこにはぷっくりと目が腫れた自分の姿が。その無様な自分に一瞬驚きさらに重くなった。なぜもこんなにも腫れているのか、本当に風邪なのかと疑問に思う。第2セレクションの時のように疲れているのだろうか?
月森は今まで自ら休養を取った事がない。家には看病してくれる人はいない為、大抵病院行きだ。(祖父母には迷惑かけたくないのが彼のポリシーらしい)今どうしたらこの目をどうにか出来るか、など解るはずがない。そう言えば睡眠は最大の休養だ…とか言っていた人がいたような。そう信じて月森はまた眠りにつく…
はずだったのだが
「月森、起きてるか?」
とても病人のいる部屋に来たようには思えないくらい不用心にガラガラと部屋に入って来た男、土浦はドアも閉めずに月森が使っているベットにズカズカ歩いて来た。
こんな腫れた目、見られてたまるものか!しかも相手は土浦だと判るとそれはさらに募るばかりで、勢い良く布団にくるまった。それで土浦がくっと笑いを零したのを聞き逃さなかった。明らかに馬鹿にしている。
お前、倒れたんだって?そう声を掛けられればさらにイラついて来て思わず否定の根を上げる。いいから帰ってくれ。そう願いながら。
「金やんに聞いたけど夜までこのままなんだろ?介抱してやるよ」
土浦はそう言って保健室を少し漁ってから体温計を布団にくるまる月森に差し出した。手ぐらい出せよ、そう言われるが強情もに手を出さず声も出さず。その態度は勘に触るがこの男―月森はこうでなくては面白くない。月森が被る布団をぐっと掴んで土浦は問い掛ける。
「…ずっとそのままだと無理やり剥ぐぞ?」
「…い、やだ」
「何が嫌なんだよ。布団を取られる事が?体温計る事が?」
しばし沈黙が沸いた。どう答えたらいいのか解らず少しして月森は声を上げた。
「君に…みられる事が…嫌なんだ」
今、
こいつなんつった?
今までの関係を全て否定したいのだろうか、見られたくないと言われたら傷つかないわけがない。俺の顔も見たくないのか布団は被せられているし。
勝手にしろよ!そう念を込めて体温計を月森(正確には布団)に投げ付けた。せいせいする、怒りの余韻に浸りながら月森を見下ろした。月森は突然の事に大袈裟に反応を示した。今まで被っていた布団からガバッと起きたのだ。それも焦ったように。自然と目が合うと土浦はふと気付く。
「…お前、目、どうした?」
目の事をすっかり忘れていた月森は一番恐れていた事態になり顔を真っ赤にしながらまたもや布団で目を覆った。…かわいい。今までのイライラを忘れさせてくらいに。ちょっと不憫だけど。自然と頬が緩む。
「それにしてもずいぶん酷い顔だな」
くつくつと笑い始める土浦にさらに屈辱を覚えた。無様な姿を見られてしまったのだ。本当に気分は最悪。
完全に拗ねてしまった月森を見て、やれやれ手が掛かるな、とボソッと聞こえるように呟くと、月森にこう問い掛けた。
「金やんは風邪って言ってたが、お前の場合花粉症じゃないのか?」
ほら、ティッシュもこんなに捨ててあるし、目もかなり赤いし腫れてるだろ。そう言われてみて、自分が花粉症である事がやっと解った。
「とりあえず目、やばいから眼帯でもしたらどうだ。確かこの辺にあった気が…」
またガサゴソと保健室を漁り眼帯を月森に差し出す。すると酷く素直に布団から手がスルリと伸びてきた。珍しい。その手を見て悪巧みを考えた。
月森の手をぐいっとひっぱり無理やり起き上がらせたのだ。
「!?…土浦、見ないでくれ…っ」
目が露わになると月森は両手で目を隠した。これ以上見られたらプライドがずたぼろだ。
「着けてやるよ眼帯」
そう言って頭をぽんぽんと撫でてやれば撫でるなと尖った言葉が返って来る。はいはい、と呆れたように返すと彼はその場からはなれた。
「お前の迎えが来るまで一緒にいてやる。自分の荷物教室にあるから取ってくるわ」
持っていた眼帯を目を隠す月森のそばに置いて去っていった。
土浦が去ったのを確認し目隠しを取るとそこには眼帯とさっき取りに行くと言っていた土浦の荷物が。
不器用だな…土浦も―嬉しいような寂しいような表情で静かに眼帯をつけ始めた。
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実はこの小説の続きはもう考えてあって、
月森が花粉症治って眼帯取れた辺りです。
私的エロ展開に向かいます(笑)妄想ムクムクです(*´∪`*)
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